占用地を介する土地、土壌汚染の可能性のある不動産の鑑定評価)大阪府三島地域

グループ会社間の売買の鑑定評価(土地改良区の占用地を介する物件)大阪府

不動産鑑定評価ケーススタディー(この案件の概要)

この案件は、大阪府三島地域(吹田市、高槻市、茨木市、摂津市など)の同族会社間・グループ会社間の不動産の売買の鑑定評価のケースです。

大阪府内
大阪府内三島地域

この案件は、グループ企業を設立する時に適正な時価が必要となり、適正な鑑定評価が必要となりました。当該物件は、5m近い幅の土地改良区の占用地を介し、市道に接道する大規模な物件で、いわゆる無道路地に近い工場でした。 ただし、土地改良区に占用料を支払っており、占用の許可を取得することにより、建て替えが可能なことから、無道路地ほどの大幅な減価は行いませんでした。また、当該地は軟弱地盤であることが判明しており、その減価も考慮しました。

土壌汚染や地下埋設物については、双方が合意していたことから、鑑定評価の条件設定を行い、鑑定評価をしました。

このような不動産の売買において注意すべきは価格の妥当性です。特にグループ会社間の売買や同族会社間の売買の場合は、低廉譲渡に当たらないかが焦点となり、その取引価格に恣意性が生じやすいので、適正であるか税務上、問題となることがあります。 不動産が一般の市場で取引される場合は、、売主はできるだけ高く売りたいと考え、買主はできるだけ安く買いたいと考え、その両者の均衡点で売買が成立し、恣意的な意思(経済的な利益供与)が入る余地は認められません。しかし、同族会社間・グループ会社間の売買では、恣意性が認められやすいので、税務署のチェックがなされます。適正な時価で売買されたことを証明するために、不動産鑑定の鑑定評価をご活用することをお勧めします。

土地改良区(鑑定評価以外の基礎知識)

土地改良区(とちかいりょうく)は、土地改良法(昭和24年6月6日法律第195号)に基づく土地改良事業を施行することを目的として同法に基づいて設立された法人である。 

ウィキペディア(Wikipedia)
水土里ネットかくだ (あぶくま川水系角田地区土地改良区)
水土里ネットかくだ (あぶくま川水系角田地区土地改良区)
水土里ネットかくだ (あぶくま川水系角田地区土地改良区)

土壌汚染が存する場合

土壌汚染が存することが判明している不動産については、原則として他の専門業者が行った調査結果等を活用 して鑑定評価を行う必要があります。

土壌汚染について、客観的な推定ができる場合は、土壌汚染が存することによる価格形成上の影響の程度を個別的要因などで勘案し鑑定評価を行うことになる。ただし、この判断は、かなり難しいのが現実と思われる。

なお、土壌汚染の除去が行われた後でも、除去の程度にもよるが、スティグマという心理的嫌悪感が通常は認められるので、価格形成要因への影響を考慮しなければならない場合がある。

土壌汚染の論点(条件設定)

依頼者の同意を得た場合は、「汚染の除去等の措置がなされるものとする想定上の条件を設定し」鑑定評価を行うことができるとされています。

鑑定評価の条件設定の要件である「利用者の利益を害するおそれがない」を充たすためには、依頼者のみならず当該鑑定評価の結果に利害関係のある方に対しても、その判断を誤らせる可能性がないことが必要です。

依頼者が購入予定の不動産につき土壌汚染を自費で除去できる企業であったとしても、それだけでは条件設定の要件は充たされないと考えられています。

調査範囲等条件設定については、不動産鑑定士が責任を負うことになるので、「業務の目的と範囲等の確定に係る確認書」によって依頼者に確認する必要性があります。

不動産売買契約において、売買当事者双方が土壌汚染の可能性があることを認識したうえで、条件を付加して鑑定評価を行うことが可能と考えられています。

平成26年の不動産鑑定評価基準の改正により、一定の要件を満たす場合に調査範囲等条件を設定して鑑定評価を行うことができるようになりました。

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